早いものでオハイオから日本へ帰国して約4か月。
日本での生活立ち上げと同時に、アメリカから日本への帰国の際に必要な各種手続きも進めております。
アメリカ駐在中に開設したCharles Schwabの証券口座を、日本でも継続して利用する為の手続きがちょうど先日完了しました。
今回の記事では、Charles Schwabの証券口座を日本帰国後も維持する為に必要な手続きと、申請書類の作成方法をまとめました。
アメリカ駐在中に証券口座を開設し、日本帰国後も維持したいと考えている方に参考にして頂けましたら幸いです。
駐在員はNISAが利用できない!
2024年から新制度が始まる非課税口座NISA。
利益の一定額まで税金がかからない非常にお得な制度ですが、日本在住者のみが対象の為、住民票を抜いている駐在員はNISAが使えません。
私はオハイオ駐在前からマネックス証券を利用して投資していましたが、NISA口座で保有していた全ての持ち株を駐在前に処分(売却)する必要がありました。
幸いなことに当時は全ての持ち株に含み益が出ていたので、損失を被ることはありませんでしたが、海外駐在員を無視した制度設計をした日本政府と金融庁には憤りを禁じえません。
2024年からNISAが新しくなる為、せめて「つみたて投資枠」だけでも海外駐在員も利用できるように改善されることを切に願います。
Charles Schwab
上述の通り、海外駐在員は現在NISAを利用できません。
その代わり!と言うわけではありませんが、アメリカ駐在員という立場を活かして、我が家では夫婦揃ってCharles Schwabの証券口座を開設し、為替リスク無しで米国株や米国ETFに投資していました。
Charles Schwab(チャールズ・シュワブ)はアメリカの大手証券会社です。
日本ではあまり馴染みがない会社ですが、2022年末時点でアクティブ口座数が約33.8百万、顧客資産残高が約7兆ドル(1ドル=100円で計算しても約700兆円)を誇ります。
日本最大の証券会社である野村證券のアクティブ口座数と顧客資産残高がそれぞれ約5.4百万と約118兆円らしいので、Charles Schwabのスケールの大きさ(どちらの指標でも約7倍)が際立ちます。
もちろん日本でも口座維持&取引が可能、口座管理手数料ゼロ、株式・ETF取引手数料ゼロということで、実質無料で口座を維持・利用することができます。
日本帰国後も利用する為に必要な書類
Charles Schwabの口座を日本で継続利用する為には、以下の書類を準備する必要があります。
- パスポートの顔写真のページのコピー
- 光熱費の請求書のコピー
- レター(口座タイプをInternationalへの変更依頼)
- Substitute Form W-8BEN
- Update Your Schwab One International® Account
パスポートの顔写真のページのコピーは説明不要だと思います。
光熱費の請求書のコピーは日本語で大丈夫でした。
我が家の光熱費は全て私の名義で契約しているので、妻の名義のものはありません。
私の申請時は東京ガスからの電気・ガス料金の請求書、妻の申請時は東京都水道局からの水道料金の請求書を使用したのですが、両方とも私宛の請求書で申請通りました(日本語読めない?読んでない?)。
レターは「I have moved to Japan as of 年月日. Could you please change my account type to International? Best Regards, 名前&サイン」と書いたものをWordで作成すればOKでした。
Substitute Form W-8BEN及びUpdate Your Schwab One International® AccountはCharles Schwabのウェブサイトからダウンロード可能です。
Substitute Form W-8BEN
ここからはSubstitute Form W-8BENとUpdate Your Schwab One International® Accountの埋め方を紹介します。
これらの書類はページ数も多く、一見大変そうに感じると思いますが、私たちが埋めた箇所を参考までにシェアいたします(あくまで参考に留めて頂き、ご自身の状況に当てはめて記入頂ければと思います)
まずはSubstitute Form W-8BEN(ダウンロードはこちらから可能です)。
合計4ページありますが、埋める箇所は2ページと3ページです。
- 口座番号(XXXX-XXXX)
- 電話番号(+81-最初の0を除いた日本の電話番号)
- 口座名義
- Japan
- 日本の住所(部屋番号、番地、市区町村)
- 日本の住所(都道府県)
- Japan
- アメリカのソーシャルセキュリティ番号(SSN)か個人納税者番号(ITIN)
- 日本のマイナンバー
- 生年月日
- Japan
- □にチェック
- 自分のサイン
- サインした日付
Update Your Schwab One International® Account
続いてUpdate Your Schwab One International® Account(ダウンロードはこちらから可能です)。
合計7ページもあり、埋める箇所は4ページ目以外です。
まずは1枚目。
- 一番上の□にチェック
- 口座番号(XXXX-XXXX)
- 口座名義
- 「Individual」の□にチェック
- 名前
- 苗字
- 日本の住所(部屋番号、番地)
- 日本の住所(市区町村)
- 日本の住所(都道府県)
- Japan
- 日本の郵便番号(XXX-XXXX)
- 電話番号(+81-最初の0を除いた日本の電話番号)
- 電話番号(+81-最初の0を除いた日本の携帯電話番号)*12と13は同じものでも大丈夫でした
- Japan(Otherの□にもチェック)
- Japan(Otherの□にもチェック)
- Eメールアドレス
- アメリカのソーシャルセキュリティ番号(SSN)か個人納税者番号(ITIN)
- 生年月日
- 出生国
- 母親の旧姓
- パスポート番号
- パスポート発行国
- パスポート有効期限
続いて2ページ目。
- 雇用形態(当てはまる項目の□にチェック)
- 勤務先の会社名
- 職業(当てはまる項目の□にチェック)
- 勤務先の会社の住所(部屋番号、番地)
- 勤務先の会社の住所(市区町村)
- 勤務先の会社の住所(都道府県)
- 勤務先の会社の住所(国)
- 勤務先の会社の郵便番号
- アメリカの証券取引所関係者かどうか(当てはまる項目の□にチェック)
- 上場企業の役員かどうか(当てはまる項目の□にチェック)
- 婚姻状況(当てはまる項目の□にチェック)
- 投資の知識(Goodの□にチェックで良いと思います)
- 投資の経験(Goodの□にチェックで良いと思います)
- 年収(当てはまる項目の□にチェック)
- 正味資産のうちすぐに現金化可能なもの(当てはまる項目の□にチェック)
- トータルの正味資産(当てはまる項目の□にチェック)
以下のページで信頼できる連絡先(Trusted Contact)を入力する必要があります。
必要に応じて自分の代わりにCharles Schwabと連絡が取れる人を2人まで指定できます。
私の場合は妻を、妻の場合は私を信頼できる連絡先に追加しました。
- 信頼できる人の名前
- 信頼できる人の苗字
- 信頼できる人との関係性(当てはまる項目の□にチェック)
続いて3ページ目。
- 信頼できる人の住所(部屋番号、番地)
- 信頼できる人の住所(市区町村)
- 信頼できる人の住所(都道府県)
- 信頼できる人の住所(国)
- 信頼できる人の郵便番号
- 信頼できる人の電話番号
- 信頼できる人の携帯電話番号 *48と49は同じものでも大丈夫でした
- 信頼できる人のEメールアドレス
信頼できる人をもう1人指定する場合は、3ページ目の下側も入力します。
4ページ目はCharles Schwabの口座を誰かと共同名義とする場合なので割愛します。
続いて5ページ目の下部。
- 口座を利用する目的(Growthの□にチェックで良いと思います)
- 信用取引の可否(Addの□にチェックで良いと思います)
- メールアドレス(「Yes, I want web accessの□にもチェック」)
続いて6ページ目。
- 「General reputation/news coverage」の□にチェックで良いと思います
- 投資資金の源泉(当てはまる項目の□にチェック)
- 投資目的(General Investingで良いと思います)
最後に7ページ目。
- 自分のサイン
- 自分の名前
- サインした日付
申請方法
Charles Schwabにパソコンからログインし、メッセージセンターへ。
(携帯サイトやアプリでは何故かできませんでした)
メッセージセンターのページにあるUpload Documentを押すと、申請書類をアップロードできます。
その際のSubjectは「Account Inquiry」、Messageは「I would like to change my account type to International as I have moved to Japan as of 年月日」で入力しました。
申請から手続き完了までの時間
申請から手続き完了までは意外と早かったです。
以下が私のタイムライン(全て日本時間)です。
- 金曜7時:申請書類アップロード(パスポートの写真をアップロード忘れました)
- 金曜10時:「We’re reviewing your request」というタイトルのメール(4営業日以内をターゲットに処理する旨の連絡)
- 金曜12時:「Action Required」というタイトルのメール(パスポートの写真をアップロードするよう指示されました)
- 土曜8時:パスポートの写真をアップロード
- 月曜12時:「We’re reviewing your request」というタイトルのメール(4営業日以内をターゲットに処理する旨の連絡)
- 月曜13時:「Phone Number Added/Changed」というタイトルのメール
- 月曜13時:「We have successfully completed your request」というタイトルのメール
- 水曜12時:「CONFIRMATION: Review updates to your account(s) | Account Verification」というタイトルのメール
ということで、金曜に申請して、翌週の月曜には手続き完了しました。
月曜にはアカウントのプロフィール情報が更新されており、水曜にはプロフィール更新完了のレターも作成されました(マイページのStatements内)。
予想以上に手続きが早くて驚いていたのですが、一筋縄で行かないのがアメリカです。
私の日本の住所にスペルミス(私の申請書類は正確だったため、Charles Schwabのミス)がありました。
マイページからチャットで問い合わせたところ、国を跨がない住所変更はチャットでも可能ということで、すぐに対応してもらえました。
住所変更というよりスペルミスの修正なのですが、ほぼリアルタイムで完了しました。
まとめ
アメリカ駐在中に開設したCharles Schwabの口座は日本でも維持・利用が可能です。
駐在中に稼いだドルで投資すれば為替リスクゼロでドル資産を持つことができます。
手続きや確定申告の手間はありますが、個人的にはやる価値があると思います。